工房HOSONOトートバッグ<キャメル>
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〈工房HOSONO〉トートバッグ (キャメル)。約高さ30×幅35×マチ10cm、質量約240g綿100%日本製※開口部:オープン式、外部:ホック式ポケット1。手作り品の為、多少サイズが異なる場合があります。東京都名だたる日本の冒険家の 偉業を支えてきた帆布鞄下町情緒あふれる台東区。ここに日本における帆布製品の先駆けといわれる『工房HOSONO』がある。創業は大正元年(1912)。人力車の幌、車夫の雨合羽などを製造、販売したことから始まった。時は流れ、昭和11年(1936)、立教大学山岳部がヒマラヤ山脈のナンダ・コートへ、日本初の海外登山遠征を行うことになった。数ある帆布店の中から選ばれた同店は、テントやリュックサックなどの製造を依頼された。どうすれば中のものを安全に守り、耐久性の優れた製品になるか。二代目・細野博吉は、隊員と打ち合わせを重ね試行錯誤の後、水を通しにくく汚れがつきにくいようにと帆布をパラフィンで加工した。金具は錆が出ない堅牢な真ちゅう、ショルダーベルトや底には水に強い牛多脂皮革を使用。ベルトの付け根は太い麻糸を手で縫うことで解れないようにしたほか、できうる限り軽量化に努めた。
使うほどに馴染んでくる 帆布の良さを改めて実感もちろん裁断から縫製まで人による手作業。工房では三代目・昌昭さんが、一心不乱に帆布を裁断していた。定規で線を引いて裁断している、と思っていたが、線は一切引くことなく、定規と包丁を巧みに使って1cm単位で断ってゆく。
特に目を引いたのは、布に折り目を付ける”折り付け”の工程である。新しい帆布は硬い。普通なら何か道具を使うと想像するが、昌昭さんは親指をまるで”アイロン”のように操り、一寸の狂いもなく折り目をスッと付けていった。裁断された帆布に折り目を付けたら、それらをミシンで縫い合わせていく。この工房では、ひとつの製品の縫製はひとりの人間が、最初から最後まで手掛けているのだ。昌昭さんはこう話す。「工場のように流れ作業で行うと、パーツごとに違う人間がやるケースが多いのです。でも人間ってどうしても”縫い癖”があるから、持ち手、ファスナーなど別々の人が縫うと、寸法がずれたり、布がよれたりするんです。ウチはお客様の立場に立って、丈夫で長く使える製品を、がモットー。だから縫製は同じ人間が行っています」と語る。
ご紹介するのは、シンプルな「トートバッグ」である。外側にホック付きの小さなポケットがあり、鍵など小物を入れておける。帆布自体も時を経ることで柔らかくなり、体に馴染んでくるのもいい。

