<砥部焼>呉須唐草平鉢・小鉢セット
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〈梅山窯〉砥部焼呉須唐草平鉢・小鉢セット。平鉢1、小鉢2平鉢:約高さ6.5×径22cm、小鉢:約高さ4×径11.7cm磁器日本製※電子レンジ可。手作り品の為、色・柄・サイズが異なる場合があります。愛媛県青色の絵付け鉢が伝える 繊細かつ大胆な美しさぽってりと厚みのある白磁に、大胆な絵付け。砥部焼は、温かな白磁と呉須による青色の模様が素朴で、丈夫な使いやすい日用の器だ。
砥部の焼物の歴史は古く、300年以上前から、暮らしに必要な陶器が作られていた。大洲藩の領地であったこの地は、砥石の産地。砥石を切り取ったときに出る削りかすに目をつけた大洲藩主の命により、磁器の生産を始め、数年の試行錯誤を経て、ようやく今日の砥部焼の基礎が完成したという。磁器は陶器よりも高温で焼くため、硬くて丈夫。暮らしの実用品として適していた。
戦後興った民藝運動の中で、美術評論家で思想家の柳宗悦、陶芸家の富本憲吉らが砥部焼に注目。柳たちは、日常の暮らしの中で使われてきた手仕事の日用品の中に「用の美」を見出したのである。
明治15年(1881)、梅野政五郎によって開窯された『梅山窯』は愛媛県砥部の中で最も大きな窯元。50名ほどの職人を抱え、現在は6000~7000種類もの磁器を作っている。暮らしに寄り添った”かたち”、自然を感じられる”文様”、素朴で美しい”手しごと”の伝統を、誠実に、大切に守り続けている。一筆書きの文様を楽しむ 割れにくく使いやすい器
成型には、4つの方法がある。まず、ろくろを手で回し、土の塊から形を作る「手びねり」。2つめは、機械ろくろを使い、型に土を入れて成型する方法。3つめは、型の中に液状の土を流し仕込む「鋳込み成型」。そして、型の上に土を置いて布をかぶせて叩く「たたら」だ。
乾燥させ、型から取り出したら、約950℃で素焼きし、手で絵付けをする。この絵付けこそ、砥部焼の最大の特徴だ。唐草、太陽、なずな、赤線三つ葉、呉須赤菊など、オリジナルの文様はすべて自然をモチーフにしたもの。シンプルでありながら奥深いこれらの文様は「梅山様式」という一筆書きの技法で、呉須を含ませた筆を使って一つひとつ描かれており、それぞれの表情を楽しむことができる。釉薬をかけて1300℃の窯で焼くと、なめらかな白磁に呉須の青色が浮かび上がり、その姿はなんともすがすがしい。
多くの焼物の産地が機械化を進める中、砥部は近代化の波に完全に乗り遅れてしまった。しかし、それがかえって手仕事が受け継がれていくことにつながり、砥部焼ならではの魅力となっている。

